本当に良い化粧品とは?
- 2018.10.3
本当に肌に良い化粧品てどんな化粧品なのでしょうか。
そもそも化粧品を肌に付けること自体、本当に肌に良いのでしょうか。
ここでは、化粧品の本当の役割と必要性について説明いたします
化粧品の本当の役割
◎肌の本来の機能を保つことが基本です。
化粧品の役割は、日常の生活をする上で、肌の本来の機能が損なわれないように、皮膚の世話をする(スキンケア)ことです。たとえば、暑さや寒さから化粧水や保湿クリームで肌を守る。石鹸で汚れを落とすことで、肌表面を清浄にすることなどはスキンケアの基本です。しかし、そのことによって、正常なターンオーバーが繰り返され、肌の機能が衰えることなく、保たれていくことが大切であり、化粧品の役割として最も重要なことなのです。
◎化粧品は本当に必要か。
生まれたばかりの赤ちゃんの正常な肌は、まっさらな新車のように、少々の紫外線や汚れが付着したくらいでは、一見なんの変化もありません。しかし、年齢を重ねるうちに、紫外線によくさらされる顔や腕の皮膚と、ふだんは衣服で覆われている腕の内側や太ももの内側の皮膚をくらべてみると、キメやハリに大きな差が表れるのです。人は、生まれもって体内に老化を防ぐ酵素を持っています。そのため、若いうちに食生活の乱れや肌のケアを怠っていても、極端に肌が老化することはありません。しかし、個人差はありますが、ある一定の時期を境に、その老化を防ぐ力が衰え始め、放っておくと紫外線や化学物質との接触によって、肌は老化していくのです。化粧品は肌の機能の低下を防ぐのに必要不可欠で、早い段階から自分の肌にとって良い化粧品を選び出し、肌本来の機能を保つようにすることが大切です。
◎化粧品は予防か改善か?
よく、シミ、シワ、乾燥肌、敏感肌、などのトラブル肌を改善したいという方がいらっしゃいますが、『シミやシワができにくくするために』『乾燥肌や敏感肌にならないために』という視点に立った場合、その原因となる紫外線や化学物質からどうやって肌を保護し、毎日受ける、ほんのわずかな影響に対して、どのように肌の手当てをしていくかが基本となります。そのことは、今自分の肌に起こっているトラブルをより悪化させないという考え方にも結びつき、さらに、少しでも老化していく速さを抑制することで、実年齢よりも肌年齢は客観的に若くなっていくという結果を生むのです。このように考えると、化粧品は、肌を老化から守るという予防の考え方に立つことが大切です。
メークアップ化粧品は肌に良くない。
◎メークアップ化粧品とスキンケア化粧品は目的が違う。
薬事法では、化粧品の定義の中で『人の身体を美化し、魅力を増し、容貌(ようぼう)を変え・・』とあります。これは人の顔立ちやルックスを変えるまでも許容されるもので、メークアップ化粧品を意味します。では、メークアップ化粧品は肌に良いのでしょうか、悪いのでしょうか。メークアップ化粧品は上述したように、ルックスを変えることを目的に設計されているために、肌に付けたときの発色、塗布のしやすさ、化粧くずれ、耐水性など、外観や、使用感が最優先され、肌を保護したり、肌機能への影響はどうしても後回しになってしまいます。これはスキンケア化粧品が『肌がキレイになる』ことを目的にしているのに対して、メークアップ化粧品は『肌がキレイに見える』ことを目的にしているからなのです。
ファンデーション、マスカラ、アイライナー、口紅、アイシャドー、チークなどが代表的ですが、発色させる粉、分散させる液体、肌に固着させるバインダー、そして粉を分散させる合成界面活性剤などが使われるのが一般的です。
◎メークアップ化粧品は肌の上では安定です。
これらの配合成分のほとんどが石油原料でできた合成化学物質です。それはメークアップ化粧品は一度肌に付けると、日中は紫外線にさらされ、冬は寒気、夏は熱気、その上、肌内部からは汗や皮脂が湧き出るしまつ。このような状況下で長時間にわたり『肌がキレイに見える』ことを要求される程、耐久性を必要とするからなのです。
耐久性を重要視して作られたメークアップ化粧品は石油原料でできているために、肌の上では安定していて、なかなか常在菌などによって分解されることは少ないのです。
◎メークアップ化粧品は肌細胞を少しづつ破壊する。
しかし、配合成分の中には、紫外線があたることによって、触媒活性を発揮するファンデーションの粉や活性酸素に変化する添加剤や有機色素などがたくさんあります。それらの成分は角層表面で活性化し、肌の細胞を少しづつ破壊していくのです。肌に影響が少ないと思っていても、メークアップ化粧品を、毎日長時間塗布し続けると、全く塗布しない肌と比べて、数年後には歴然とした差が表れてくるのです。
クレンジングは肌に悪い
◎クレンジングはメークを落とすことが目的なのです。
クレンジングを使う目的は自分の肌の上に付いているメークを落とすことです。それなのに、市販のクレンジングの広告には、「肌にやさしい○○オイル配合」「美容成分配合のクレンジング」「○○の保湿成分配合」など、肌にやさしいことを強調した内容が目立ちます。これでは裏を返せば、クレンジングというものは、それだけ肌を傷つけるものですと言っているのと同じことで、決して肌に良い化粧品ではありません。
そう考えると、クレンジングを選ぶときの大きなポイントは、自分が今使っているメークが落とせるかどうかということになります。
しかし、お湯で落とせるのにわざわざオイルクレンジングを使う必要もなく、また、薄付きのメークをしている場合などは良質の洗顔石鹸で、事足りるかもしれません。いずれにしましても、自分の肌にとって、必要以上の洗浄力をもったクレンジングを使わないことが重要なのです。
◎クレンジングは肌のバリアー機能を破壊する
それは、最近のメークアップ化粧品の肌への密着力が強いことに深く関係しています。汗や雨、涙など、特に耐水性を重視したメークアップ化粧品が主流となり、ファンデーションだけでなくアイメークにまで及んでいます。
この肌への密着力が強いメークアップ化粧品は、化学的には、今までの様に、油に色の顔料(粉)を分散させただけではできません。
肌への密着力を強くするために、油ではなく、肌の上で被膜をつくりだす被膜形成剤と呼ばれるものを使うのです。主にアクリルやシリコンを反応させた合成化学物質です。
これらの被膜形成剤を使ったメークアップ化粧品を肌から落とすには、同じ様な成分をクレンジングに配合しなければ落とせません。ところが、それらの成分は、肌の上のメークだけを落としてくれるわけではありません。大切なお肌の表皮、表皮の下に隠れている天然保湿因子NMR、やがては、バリアー機能を保っているセラミド層(細胞間脂質)までをも剥がし始めるのです。1回2回の使用ならまだしも、毎日の様に反復使用していると、破壊された表皮の上からメークをするようになり、メークそのものが肌に刺激を与え、肌破壊の悪循環が始まります。そして、敏感肌への一途をたどることになるのです。
このように、日常使うメークアップ化粧品の肌への密着力(ウォータープルーフ性)が強くなると、クレンジングも、落とす力が弱いものから強いものを使うようになり、気がつかないうちに肌の機能を破壊してしまうのです。
紫外線から肌を守る化粧品とは
◎紫外線は肌を老化させる最大の要因です。
肌の老化の原因の80%以上が紫外線といわれています。
肌に紫外線があたると肌の上でいったい何が起こっているのでしょうか。なぜ肌が老化していくのでしょうか。
紫外線を浴びると、皮膚組織の中に一重項酸素という種類の活性酸素が発生し、皮膚の弾力を保っているコラーゲンを破壊したり、保湿力を保つヒアルロン酸を変性させたりします。また皮膚細胞の脂質の部分を酸化させ、過酸化脂質の皮膚細胞に少しづつ変化させていくのです。
その結果、肌は少しづつ老化していき『肌のシワ、肌のタルミ、肌のハリ』が無くなっていきます。
このように、紫外線は、単に日焼けを引き起こし、シミ、ソバカスの原因となるだけでなく、肌に活性酸素を発生させ、肌を老化させる最大の要因となります。そのため、正しい知識をもって、適切な紫外線対策や活性酸素対策をすることが大切です。
◎紫外線対策のための化粧品
UV対策化粧品というと、紫外線を物理的に反射させたり散乱させたりすることで、肌への影響を少なくする。紫外線を化学的に吸収することで、肌への負担をなくす。紫外線によって生じた活性酸素を消去し、肌が酸化するのを防ぐ。この三つの方法を組み合わせて化粧品化されています。紫外線を意図的にカットしたり、吸収したりしてくれるので、SPF15程度の効果の少ない商品からSPF50程度の効果が大きく期待できる商品まで市販されています。
しかし、紫外線からお肌を守ることを目的とする商品でありながら、実はお肌への悪影響はゼロではありません。
反射剤として配合されている酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの無機粉体などは、紫外線を反射したり拡散するのと同時に触媒という機能を発揮して、自ら活性酸素を発生させます。当然、肌組織を傷めつけ、化粧品に配合されている他の有機成分なども破壊する要素をもっています。
また、合成の吸収剤として配合されているメトキシケイヒ酸オクチル、トリアジン誘導体などの有機化学物質などは、紫外線を受けると、励起状態といって、エネルギー状態が活発になり、肌にかゆみをもたらしたり、水分を奪って肌を乾燥させたりする傾向があります。
このように、紫外線反射剤や合成の紫外線吸収剤を配合したUV化粧品は、上述したような懸念材料が多く、実際に市販の商品を使用する消費者の間で、肌が乾く、肌が熱くほてる、肌がつっぱると言うような感覚があることから、肌に良い化粧品という認識が少ないのが現状なのです。では、肌にとって良い紫外線対策やUV化粧品とはいったいどのようなものなのでしょうか。
◎天然の紫外線吸収剤を上手につかう。
そのヒントは自然界にあります。
例えば、炎天下に曝されているにもかかわらず、野菜や樹木の葉は青々と緑色を呈していたり、ぶどうやブリーベリーの果実は、決して干からびて乾燥することなく瑞々しさを保っています。
これは、葉の成分クロロフィルやブルーベリーの皮の成分アントシアニンが紫外線をしっかり吸収し、植物細胞を守っているからです。このような例は自然界には他にも沢山あり、アスタキサンチンや、私がこのサイトで推奨する天然シルク成分(シルク抽出液)などもその例外ではありません。これら種々の天然成分は紫外線吸収剤や抗酸化剤として古くから化粧品にも活用されています。
しかし、この種の化粧品を選ぶ場合に注意をしなければならないことが、二つあります。
一つ目は天然成分をトレースした合成成分です。いくら開発技術や分析技術が発達しても、天然品と合成品では100%同じ結果はでないことを十分認識しておくことが大切です。
二つ目は、含有量です。いくら肌に良い天然成分でも、美容液、化粧水、クリームなどの化粧品に含まれている量が針先一滴ほどであると、殆ど結果は期待できません。
上述した二つのことに注意を払いながら、肌にとって本当に良いと思われる化粧品をまず自分自身で選んでおくことがUVケアの第一歩です。
最も肌に良い紫外線対策とは、もちろん紫外線を浴びないように注意すること。次に合成の紫外線吸収剤を使ったUV化粧品は極力使用しないこと。そして、どうしても使用しなければならない場合は、下地に天然の吸収剤成分や天然の抗酸化成分を豊富に含んだ化粧品をしっかりと施した上で使用することが先決です。
上智製薬編集部 2018.10.3
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